筋ジストロフィーとは骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称です。筋ジストロフィーの中には多数の疾患が含まれますが、いずれも筋肉の機能に不可欠なタンパク質の設計図となる遺伝子に変異が生じたためにおきる病気です。遺伝子に変異が生じると、タンパク質の機能が障害されるため、細胞の正常な機能を維持できなくなり、筋肉の変性壊死が生じます。その結果筋萎縮や脂肪・ 線維化が生じ、筋力が低下し運動機能など各機能障害をもたらします。

近年、病気の原因となる遺伝子が多数発見され、責任遺伝子・蛋白に基づいた分類もなされるようになってきました。これにより、同じ遺伝子に変異が起こっても異なる病型を示す場合や、異なる 遺伝子の変異でも似通った症状を示す場合が存在することがわかってきました。一方、現在も責任遺伝子が同定されていない分類不能な疾患も多く存在します。今後責任遺伝子の解明が進むと筋ジストロフィーの分類方法も見直される可能性があります。 このような多様な病型の中のうち、デュシェンヌ型及びベッカー型ジストロフィー(DMD及びBMD)については、治療法を決定するためにジストロフィン遺伝子の変異情報を確定する必要がある場合があること、X染色体上のジストロフィン遺伝子に変異による伴性劣性遺伝の家族性の遺伝子疾患であるため母系家族の保因者診断の希望があることなどから、弊社では日本筋ジストロフィー協会と連携し、デュシェンヌ型及びベッカー型ジストロフィー(DMD及びBMD)の原因遺伝子であるジストロフィン遺伝子の部分欠失、部分重複、微小変異の同定を低コストで実現するための研究を行っております。詳しいお問い合わせはこちらまで。